ホットライン法律事務所







【交通事故紛争解決の虎の巻】
 交通事故に遭われた方が15分程度で、今後の手続きを理解できるように解説しています。
 大雑把に記載している部分もありますが、事故直後には、このページに記載されている程度のことを理解いただければ十分だと考えています。































































































































● 交通事故・解決の方法(民事上の賠償責任)


【物損事故の場合】

それぞれの「損害額」と「過失割合」を確定させていきます。

1,基本的な考え方
 一般的な車同士の交通事故で両当事者の過失が一方的(10割対0割)であることは、単純な追突等のケースを除いて稀です。
 したがって、両者に何らかの過失がある場合には、両当事者が「加害者 兼 被害者」という立場におかれます。
 被害者は加害者に対し、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)を有しますから、両者に過失がある場合には、二つの損害賠償請求権が向かい合うこととなります(片方の車両に破損がない場合には、損害がないため、損害賠償請求権は1本となります。)。
 そして、過失が大きいと想定される当事者を「甲」、過失が小さいと想定される当事者を「乙」と位置づけます。
2,解決方法
(1)損害額
 基本は車両の「修理費」です。
 ただし、修理が出来ない場合や修理費が当該中古車両の評価額を上回る場合は「全損扱い」として、当該中古車両の再購入価格が損害額となります。
 このほかに、事故車両となってしまったことによる「評価損」や「代車費用」が認められる場合があります。
 この計算を、甲車及び乙車の双方に関し、行っていきます。
(2)過失割合
 損害額は、修理工場の見積書等で客観的に証明できるので争いになることが少ないのに対し、過失割合は「評価」によって確定されるものなので、両者の見解が食い違い紛糾することが多いです。
 交通事故の過失割合については、過去の膨大なケースから、一般的な基準が完成しているのですが、類型的な事案と異なる場合や減速・停止の有無や交差点への先入の有無により過失割合が異なる場合等には、この減速・停止の有無や交差点への先入の有無を巡って合意に至らず(示談でまとまらず)、裁判所の判断を仰ぐ場合もあります。
 それぞれの当事者の損害額に、相手方の当事者の過失割合を乗じた金額が、相手方に請求できる金額となります。
3,最後に
 これらの算定作業や示談交渉は、甲乙双方が加入する任意保険会社を通じて行われ、事故当事者双方が任意保険に加入している場合には、当事者の持ち出しもないため、スムースに決着することが多いです。
 もっとも、当事者の一方が任意保険に加入していないケースや相手方が加入している任意保険会社が提示してくる過失割合に納得できないケースでは、示談(和解)による解決が難しくなってきます。
 このような場合、従来は、@物損事故の損害額が一般的に小さく、A仮に訴訟を起こす場合には、弁護士費用が掛かる等の理由から、一方当事者が不満を抱えたまま、示談にやむなく応じたり、紛争解決が長期化することが多かったのです。
 しかし、近年急速に普及した「弁護士費用特約(LAC)」のお陰で、示談がまとまらない場合には、無償で、一方当事者が示談交渉に弁護士を立てたり、弁護士に訴訟を委任して解決することが容易になりました。
 弁護士費用特約は、紛争の金額が小さくとも、保険会社が弁護士に一定の報酬を保証していますので、弁護士が積極的に活動できる仕組みです。
 提示された示談の内容(過失割合)に納得できない場合は、保険証書を確認いただき、弁護士費用特約に加入しているかどうか確認下さい。
 そして、保険契約の更新や加入をされる方は、ぜひ、弁護士費用特約に加入しておきましょう。
 また、最近は自動車事故に限らず、自転車事故、さらには、いじめ問題や相続問題等、弁護士が必要な時に弁護士費用を保険でまかなえるタイプの弁護士保険も出てきています。このような保険に加入しておくと、弁護士に気軽に相談できるだけではなく、委任することも容易になりますから、ぜひ加入をご検討ください。

【人身事故の場合】

物損の場合に比べて、損害額の計算が複雑になります。

1,物損との違い
 事故車両は物ですから、修理代金や買い換え費用は比較的容易に算出できます。
 しかし、人が怪我をした場合には、治療を行いますが、@治療に要する日数が事前に何日かかるか、Aどのくらい仕事を休む必要があるのか、B治療を行って、事故以前の体の状態に戻るのか等、を見極めないと被害者が蒙った損害額を算出することができません。
 また、被害者の方は、それぞれ、収入や年齢が異なるため、同じような怪我をした場合でも、また、同じような後遺障害を負った場合でも、その損害額は人によって変わってきます。
 さらに、被害者の回復状況等を評価するにあたっては、医者の見解、被害者本人の見解、相手方保険会社の見解等、評価する人の立場の違いによって、様々な評価があり得るため、「症状固定の時期」・「後遺障害の有無・程度」などが大きな争いに進展してしまうことがあります。
 このような事情から、人身事故の場合には、示談で合意に至るのに多くの時間を要したり、最終的に弁護士介入によって、示談がようやく成立したり、訴訟提起によって、裁判所が判断することで解決に至る等、解決に時間と労力を要するケースが多くなります。
2,治療と症状固定
 交通事故で身体に異常を感じるようになった場合には、医師の診断を受け、治療を行う必要があります。頚椎捻挫等、事故直後には異常を感じない場合でも、数日経った後に痛み・しびれが生じる場合がありますので、注意が必要です。
 事故で骨折や骨の変形が生じた場合には、痛みや不具合の原因が明確で、治療方法も確立していることが多いですが、神経の損傷や捻挫などはXPやMRIで判別できないため、証明が難しく、また、治療が奏功するとは限らないため、事故から6か月程度経った頃に、相手方保険会社と被害者の間で「治った。、いや、治ってない」紛争が生じることが多いです。
 骨や関節等に視認できる所見がないものの、被害者がなお痛みやしびれを感じているということは、よくあり、頚椎捻挫などは完全に治らないことも多々あります。実際、頚椎や脊髄及びその周辺神経は非常にデリケートな組織で、交通事故の瞬時の衝撃で、一般的に損傷することは医学的に確かなのですが、損傷の痕跡を残さないことも多いため、紛争の原因となってしまうのです。
 そして、被害者の方で誤解されている方が最も多いところですが、(法的には)治療は体が完治するまで行うものではないということです(結果として、治療費の支弁は「症状固定」により打ち切られるということ。)。
 人間の体はデリケートで、交通事故により、生じた障害は治療によって完全に戻すことは物理的に不可能なことが多いものです。そこで、法律的には治療行為を続けた結果、症状が「これ以上回復しない状態(いわゆる横ばい)」になった時期を「症状固定」と呼び、損害賠償請求権の金額算定にあたり、最も重要な基準点としています。
 症状固定については、あなたを担当しているお医者様や弁護士、保険会社の意見を聞いて、あなた自身で判断して下さい(ただし、症状固定日が後に遡って争われることもあります。)。
 症状固定の効果として、@「治療費」は、症状固定日まで加害者(又は加害者加入の保険会社)が支払う、A「休業損害」が生じている場合でも、症状固定日以降は生じる余地がなくなる、B症状固定日の段階で、後遺障害が生じている場合には、症状固定日以降の「逸失利益」を請求できる、C「入通院慰謝料」は症状固定日までの入通院期間・日数を基準に計算する等が挙げられます。
 なお、治療費は相手方保険会社が症状固定日に至るまで負担してくれますが、被害者側に過失がある場合には、「総治療費×被害者の過失割合」を後日、返還する必要がありますので、注意して下さい(実際は、「入通院慰謝料」との相殺で処理することが多い。)。
3,損害額の算定の前に必要になること
 さて、症状が固定すると、損害額の算定に向けて一歩前進するのですが、あなた自身が後遺障害が残存していると考える場合は、後遺障害の「事前認定」又は「後遺障害等級認定のための被害者請求」を行う必要が出てきます。
 「事前認定」・「後遺障害等級認定のための被害者請求」とは、交通事故の影響で残存した後遺障害が、法的に賠償するに値する水準に達しているか、達しているとしてその水準はどの程度のものか、ということを自賠責調査事務所又は損害保険料率算出機構に対し認定を求めることを意味します。「事前認定」は相手方保険会社を通じて行う手続きで、「被害者請求」は被害者自らが行う手続きです。
 後遺障害等級には、最も重い第1級から最も軽い第14級までが存在し、その等級に応じて、「後遺障害慰謝料」や「逸失利益」(収入や年齢に連動します。)が損害額に加算されることになります。
 ここで注意が必要なのは、後遺障害が残存していても、14級以上と評価される後遺障害でなければ、後遺障害非該当として、後遺障害慰謝料や逸失利益は認められないということです。
 そして、後遺障害の認定が完了すると、いよいよ最終的な損害額の計算が可能となっていきます。
 「後遺障害等級認定のための被害者請求」は、個人でも可能ですが、専門的な知識が必要です。弁護士特約に加入されている方は(加入されていない方も)、この手続きの段階で弁護士に委任することをお勧めいたします。
4,損害額の算定・過失相殺・既払い金
 損害の項目には、@治療関係費(治療費・入通院付添費用・入院雑費・通院交通費等)、A入通院慰謝料(症状固定日までの治療期間・治療実日数等に連動)、B休業損害(治療期間に収入が減った場合)、C後遺障害慰謝料(認定等級による)、D逸失利益、E弁護士費用(裁判手続きを通じて請求する場合のみ。損害額の10%程度。)があります。
 それ以外にも認められる可能性がある項目もありますが、専門的すぎるので割愛します。CとDは後遺障害認定が非該当の場合は請求できません。
 そして、ここからは物損の場合と同様の計算になりますが、損害額全体から被害者の過失割合を減額します。被害者の過失割合が2割ならば、0.8を損害額に乗じます。さらに、治療費は相手方に任意保険会社が付いている場合には、相手方保険会社から病院に直接支払われていますから、この金額を控除して、請求金額を確定させていくのです。
 相手方の保険会社と示談交渉を行う場合には、保険会社がこの計算を行ってくれますが、基本的に被害者の方とは利益が対立していますので、絶対的な信頼を寄せてはいけません。この示談提示金額のチェックは弁護士に委任した方が無難です。
5,最後に
 ホットライン法律事務所(北海道札幌市所在・代表:弁護士北山祐記)では、任意保険会社から提示された金額のチェックを無料で、そして増額の可能性がある場合には、増額交渉を着手金ゼロ円で行っています(交渉により増額が実現した場合には、増額金額の2割を報酬として頂きます。)。
 また、弁護士特約を利用いただく場合には、弁護士報酬は保険会社の支払いとなりますので、依頼者の方からは1円の報酬・実費もいただきません。
 さらに、後遺障害の被害者請求手続は大変重要で、専門的知識を要求されます。しかも、後遺障害が認定される場合とされない場合では、賠償金に雲泥の差が生じます。悔いを残さぬよう弁護士に被害者請求手続を委任ください。
 ぜひ、示談に応じる前に、ホットライン法律事務所の交通事故無料相談をお受け下さい。